川ガキ
おすすめしたい本
こんにちは、環です。
今日は一冊の本をご紹介します。
こちらは2012年の夏に発行されたものです。
昔といえば昔ですが、
東日本大震災の後、という意味では「今」かもしれません。
とにかく写真が、その時の状況をリアルに伝えてくれるのです。
私はこの本の大ファンです。
もともとは、友人から教えてもらいました。
おすすめいただく本はいくらかありますが、
これほど自分にフィットした本は珍しく、
というのも、
私も「川ガキ」だったのです。
※川ガキ[絶滅危惧種] 学名:Homo sapiens sapiens. 霊長類ヒト科
子供たちが天然の川で自ら遊びを開発し、自らの意思と想像力で遊ぶ。
また、年上が年下の手をひき、それが次へと伝わる。
自分の力量をわきまえ、積み重ね、挑戦し、憧れの舞台から飛び込む。
彼らは身の程を知りながら、川の変化を察知し、時に教えてもらいながら、
川に育ててもらう。
見守る大人たちはそんな子供たちと我が子のように接する。
(本気で受け入れ本気で叱る)
という川ガキの生態系を、写真家の村山嘉昭さんが追って向き合って記録した一冊です。
私も川ガキでした
私は四国出身です。
近くを流れる川の上流に、程よい子供たちの遊び場が存在しました。
流れが早いところ、深いところ、というのは感覚でわかっていました。
浅く穏やかなところでは、メダカを石で囲った場所へ誘導し「保育園」と称して多くの園児を招き入れ、
帰る頃にはメダカも帰します。
生き物を観察したい日はそうしますし、
泳ぎたい日は流れに逆らってがむしゃらに、
そんなことをずっとしていました。
水着のまま川へ行き、
濡れたまま帰宅をするのです。
という子供時代でした。
私の作品に対する思い
この本がフィットする理由として、もう一つ。
それは、
写真という作品を通して、この本はその時の心の様子まで見事に伝えている、私が作品に対して目指していることとの共通点を感じるからです。
物語るのであれば、漫画、映画、紙芝居、絵本・・・といった手段を用いても良いのですが、
「その一枚」とか「切り取られた瞬間」が全てを物語っている作品を生みたいと常々思っています。
私は2次元で、空気や空間、時間をも表現できる画家になりたいと思っています。