模造紙と水張り
模造紙
こんにちは、環です。
今日は来年の個展に向けての実験初日です。
大きなものを作るとき、初めてのことをするときなど、
やはり実験をしてみた方が良いと思っています。
今回の実験の目的は、
描いたものを自立させられるかどうか、という内容です。
それが擬人化された何かである場合、
目線が合うサイズのものです。
また、実験ついでに、
日ごろは描く摩擦などに耐えるものだったり、画材との相性で、描くことに特化した厚めの紙を使いますが、
模造紙という比較的薄い紙でも水張りが可能かどうか、
素材についても試したいと思います。
ちなみに何を模造した紙なのかという疑問について、
昔、上質紙を真似て作られたことで、そう呼ばれるそうです。
しかし今は、技術の向上により、なんの模造だかわからないほど、
使い勝手の良いものになりました。
また、呼び方も地域によって様々です。
私は愛媛県の出身ですが「鳥の子用紙」と言っていた覚えがあります。
何かと混在していると思います。
いざ、水張り
これは水張り完了後、乾かす場所を探し、タイヤの上に置いているところです。
というサイズ感です。
さて、
水を含ませた半乾きの模造紙をパネルに置き、空気を抜きながら周りを止めていきます。
その際、貼りたいパネルの上に模造紙を乗せて、そのまま水を含ませ、裏返すことなく進めても差し支えないと思いました。
それは薄い模造紙だから可能なことで、水が裏面まで通ってしまうので、
そのままで対応できるというものです。
裏返すとかえって破れてしまって、やりづらいと思います。
さて、
ご覧いただいてわかるように、水張りを完了させた模造紙、
パネルの木目が透けるほどの薄さです。
仮に、端っこの方でしたら紙を引っ張り折り込む時に破れても(今回の制作については)大丈夫です。
中ほどが破れてしまったら最初からやり直しますが、
今回は画面いっぱいを作品としないため、
大丈夫です。
紙を引っ張る際の破れについては、そこを覆うようにテープを貼り、巻き込みながら止めます。
その分、テープの厚みが足りず、粘着させたいところにたどり着かない時は、
養生テープなどで上からずらし重ねて貼れば、紙は動きません。
あくまで、今回の私の制作で必要なのは、中ほどの画面であり、端っこはどうなっていても問題ない、という条件です。
ちなみに、紙は濡らすと膨張し、乾くと収縮します。
その特性を活かして、描く際の波打やたるみを抑え固定された紙に描くために、水張りをします。
はい、模造紙でも水張りができることがわかりました!